イノベーションの推進と複眼経営

 2021年10月に、オープンイノベーションセミナーに参加しました。

 京都企業の幹部の方からの基調講演の後、複数のCIO(チーフ・イノベーション・オフィサー)が参加するワークショップでファシリテータを務めました。

 基調講演やCIOの皆さんとのディスカッションを通して、起業にしろ変革(イノベーションやDX)にしろ、新しい事業を立ち上げる上で人材マネジメントが重要テーマと指摘がありました。

 アイデアマンだけではだめだし、実務力の高い人材だけでも、新しいビジネスは立ち上げられません。0から1を生み出し、10そして100へと成長させるための体制作りがカギとなります。一人のリーダでカバーすることは容易ではありません。

 創造性の高い人材と、リスクを見ながら戦略的にスケールさせていく能力の高い人材の組み合わせが不可欠なのです。米国のベンチャー発の大企業も、日本のソニー、ホンダも、創造的リーダと番頭役の組み合わせで成功しています。2つの目線を持つことから、これを「複眼経営」と定義します。

 複眼経営の観点で、イノベーションをマネジメントするには、チーム、場、プロセスの3つの要素を経営者がデザインすることです。しっかりとした哲学や戦略性を持った企業はイノベーションの成功確率が高くなります。ご興味がある方は、下記の文献をご参考にしてください。

(参考)野村総合研究所 知的資産創造 2013年1月号「特集 顧客価値を創造するイノベーション」